術後リハビリテーション

術後リハビリテーション

移植術など外科技術の進歩に伴い、頭頸部癌の外科的治療は飛躍的に進歩しました。口腔癌の手術では癌の再発や転移を避けるために根治的な手術が行われるとともに術後に口の形態と機能をできるだけ残すために色々な工夫が取り入れられています。

しかし、食べること、飲み込むことは様々な神経と筋肉が働いて行われる複雑な協調運動で、しかも口やのどのすべての器官は複雑な機能を営むための優れた器官ですから、手術で切除した部位に他の組織を上手に移植しても「食物を食べたり、飲み込んだりする」摂食・嚥下機能が障害されることは少なくありません。

手術後には口やのどの形が変わったり、動きにくくなったり、感覚がなくなったり鈍くなったりするために複雑な摂食・嚥下運動を行うのが難しくなることがあります。また、誤嚥といって、食べたものが肺に入って肺炎を発症する可能性もあります。

予防のためには、歯科医師、言語聴覚士(ST)を含めたリハビリが行われます。また、術後の摂食嚥下機能が速やかに回復するように術前から摂食・嚥下機能の検査を行い、術前訓練を積極的に取り入れています。

術後の摂食嚥下訓練としては間接訓練と直接訓練とがあります。
間接訓練は食べ物を使わない訓練で、喉頭挙上訓練(俗にのどぼとけと呼ばれる喉頭隆起に手を当て、飲み込んだときに上がったままの状態を数秒間保つ訓練)など、さまざまな方法があります。

直接訓練は実際に食べ物を使っての飲み込みの訓練で、食べるときの姿勢、1回の量、食べるペースなど、各種の訓連方法があり障害の部位、程度を的確に診断し、診断に基づいて最も効果のある訓練法を選択します。
また、術後の機能回復に補綴物が必要な方には、顎義歯や摂食補助装置の作製も行います。

 

 

 

具体的には、以下の方法でリハビリの必要度を評価します。

①下造影検査(VF)

②超音波検査

③内視鏡検査

 

 

具体的には、以下の方法でリハビリ指導を行います。
①痰などを排出する方法を指導します。
②摂食・嚥下器官の運動性を高めるための機能訓練を行います。
③飲み込み運動をスムーズにするための知覚を高める訓練を行います。
④飲み込みやすい姿勢や飲み込み方の指導を行います。
⑤食事内容のアドバイスなど介助法の指導を行います。
⑥飲み込みに役立つ特殊な義歯や嚥下補助装置の製作を行います。
⑦その他飲み込みをスムーズにするための特殊な訓練を行います。
⑧口腔清掃を行い、また指導も行います。

リハビリを開始する時期について

術後のリハビリは、全身状態が安定し、呼吸機能が安定したことを確認して決定されます。

リハビリテーションの効果

リハビリテーションを開始して半年~1年後は、

▼舌の動く部分を切除した場合=発音や食事に関する改善度はともに術前の8割程度になります。
▼舌根を含む切除の場合=食事ののみ込む機能は3~4割、発音はマウスピースを利用して術前の6割程度になります。

リハビリは根気強く続ける事が大切です。

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